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壽ヒストリー HISTORY

壽グループは、筆記具の開発・製造会社として、日本のみならず世界の筆記具業界をリードしてきました。
ものづくりへの情熱をベースに、さまざまアイデアを形にすることで、
高品質かつ革新的な筆記具を世に生みだしています。
その背後には、技術を追い求める姿勢だけではなく、多様な人間関係のネットで発展してきた歴史があります。
1本の筆記具に込められた可能性を引き出すために。
設立50周年を迎えた今も、道を切り拓きながら歩み続けています。

1973 : Kotobuki's First Model
1967
KOTOBUKI HISTORY-01

シャープペンシル工場の誕生

陰山壽彦の兄・秀平は大学を卒業後、ある貿易会社へ就職します。取引のあった川越市の縫製工場へ出向になり、そこで後にクッション式シャープペンシルの機構を考案した鈴木孝彦と出会います。幼い頃からものづくりを愛好した陰山秀平と機械技術の経験のある鈴木孝彦は、繊維産業の先行きを憂い、ふたりで新たな事業を探し始めます。
シャープペンシルには筆圧がかかると芯が折れやすいという弱点がありました。鈴木はこの課題に着目し新たなアイデアを思いつきます。それは筆圧をかけると芯が引っ込み芯折れを防ぐというもの。ふたりはさまざまな試行錯誤の末1974年、クッション式シャープペンシルの試作品を完成。特許出願するとともに量産に向くモデルにさらに改良を加えていきます。
壽は事業の拠点を京都から川越に移し、秀平と鈴木を迎え入れ、シャープペンシル工場へ生まれ変わります。
1975年、クッション式の最初のモデルを筆記具の展示会に持ち込むと2日間でたちまち30万本の注文が入ります。それをきっかけにして半年後に月産20万本、その後さらに月産60万本に生産を急速に拡大。壽の新規の技術が広く求められるようになりました。

1967年 創業者の陰山壽彦は雑貨・装飾品などの販売商社、株式会社壽を京都に設立。
1973年 埼玉県川越市石田にシャープペンシルの研究と生産の拠点として、石田工場を開設
1975年 増産により石田工場を増設
1977年 部品製造を自社にきりかえ豊田本工場を開設
総生産本数1,000万本を達成
1979年 埼玉県川越市鯨井に拠点工場・鯨井事業所を開設
1980
KOTOBUKI HISTORY-02

世界の壽に成長

アメリカ市場に最初に足を踏み入れたのが1976年。回転式のシャープペンシルが主流だったアメリカで、壽のクッション式シャープペンシルは歓迎されます。
海外の取引先は、主にドイツ、イギリス、フランス、アメリカの大手メーカー。中でもアメリカの企業とは緊密な信頼関係を築き、後に膨大な数を受注するようになります。
時を同じくして、国内でも様々な企業から注文が入るようになります。
1983年、陰山秀平が貿易会社時代から人脈のあった韓国に生産工場を立ち上げます。アメリカをはじめ世界へ輸出する壽の基幹工場として信頼され成長を続けています。
こうして壽のシャープペンシルが高く世界で評価されるに至ります。

1980年 筆記具総生産量1億本達成
ボールペンの生産開始
1983年 韓国原州市に工場を開設し海外生産を開始
1984年 取引量増加に伴い販売部門独立させ株式会社マコスを設立
1985年 生産総数量 1億5千万本達成
1986年 米国カルフォルニア州トーランス市に販売活動拠点としてKUSA Corpを設立
1987年 高級筆記具用メカニズム開発
複合筆記具(B/M)の開始
自動シャープペンシルの開始
海外での生産量拡大にむけ韓国横城郡に㈱壽韓第1生産工場開設
1988年 回転繰出し消しゴム付きシャープペンシルの量産開始
1990年 複合筆記具3F(3ファンクション)生産開始
1992年 サイドノック式シャープペンシル開始
1996年 Wチャック機構シャープペンの開始
海外(台湾台北市)に販売活動拠点として王華股份有限公司を設立
1994年 自社ブランド『PENAC』を立ち上げ
海外(ドイツ)に販売活動拠点としてPWIを設立
1998年 サイドノック式ボールペン生産開始
1999年 化粧品事業に参入
GELインキの開発に着手
2000
KOTOBUKI HISTORY-03

製品の進化、さらなる一歩

1995年、筆記具各社がゲルインクの生産に乗り出す中、壽もゲルインクの開発に着手。その製品が業界最大手のアメリカのメーカーに採用されます。その後さらに改良を重ねたゲルインキボールペンは、月産1000万本を達成。今なおアメリカ市場で広く受け入れられています。
さらに、筆記具の技術を活かした化粧品容器の開発にも挑戦。韓国には、無菌室も備えた化粧品工場を開設。
筆記具メーカーのプロとしての技術とアイデアを多面的に活かし、高品質な製品を生み出しています。

2009年 ジャムフリーメカニズムシャープペンを開始
(油性、水性、GEL)インキボールペンレフィールの自社生産開始
Sewing関連事業に参入
2011年 海外(メキシコ)に販売活動拠点としてKWIを設立。
2012年 子供向けφ1.3㎜芯鉛筆シャープ生産開始
2013年 複合筆記具4F(4ファンクション)生産開始
2015年 速乾で滑らか低粘度GELインキボールペンレフィールの生産開始
2017年 株式会社壽 創立50周年を迎える
2018
KOTOBUKI HISTORY-04

現在から未来へ! プロの下請けとして、誇り高い挑戦を

シャープペンシルはどんどん進化を遂げ、今ではノックをしなくてもとても長い距離を描き続けられるまでに技術が進歩しています。基盤となっているのは、創業時に開発した「クッション式」シャープペンシルのメカニズム。今もその技術は色褪せていません。
無我夢中で駆け抜けてきた50年。世界の文具業界からは、OEMでありながら“壽ブランド”として認知され信頼を得てきました。創業時から変わらぬものづくりへの姿勢は脈々と受け継がれ、業界をリードする存在として常に技術を提案しています。
目指すは、「プロの下請け」。相手の求める技術にとどまるのではなく、それにプラスして、どれだけのアイデアを形にできるのか。世界中のお客様の求める製品を開発していけるのか。壽の探求と挑戦は、これからも続きます。